ヘルガ・フェルビンガー(1944〜 )

   
「だいじょうぶ!ひとりでも生きられる」

         

   2002年10月15日発売、講談社、¥1600(+税)
    
装画・高木理香  装丁・鈴木成一デザイン
     
 
     *書名をクリックするとアマゾンの本書の紹介ページが見られます。本書は残念ながら
       すでに絶版となっていますが、アマゾンの中古本として買うことができますので、どうぞ       ご覧下さい。また古書店にもあるかも知れません。

 


  1.「だいじょうぶ!ひとりでも生きられる」内容紹介
   
   2.関連図書ガイド

 


1.「だいじょうぶ!ひとりでも生きられる」内容紹介


 
延び延びになっていた本書がついに出版にこぎつけました!
  離婚や別れの後の人生の敗残者意識からどうやって立ち上がり、新しい自分を探していくかを考えていく本です。
  
 著者が女性なので、基本的に女性の立場から書かれていますが、女を抑圧する男が悪い、と片付けるのではなくて、両性ともが社会の期待に沿うことだけを考えて生きてきた結果、人間らしさを奪われて不幸になっている状況を、内なる声に従う生き方を自分で育てていくことで、人間らしい結びつきにして行こう、というのが底を流れる考え方です。
  
 ですから、本書は離婚の後の谷底から何とか立ちあがろうとしている人たちを励まし、勇気づけてくれるだけでなく、一人で生きるってどういうこと? 結婚てしないといけないのかな?パートナーシップってなに?と考える若い女性、男性にも、そしてパートナーとの問題を一緒に解決していきたい、と願う人たちが、人間として生きて行く方向性を考えていくのにも、力になってくれる本だと思います。

「結婚する時、男は女に変わらないで欲しいと願い、
女は男に変わって欲しいと願う。そして二人ともそれを守らない」
という言葉がありますけれど、これってかなり真実をついていると
思いませんか? その秘密がわかる本、かな。
「男たちの深い孤独」という章も男性が感情を表せないで閉じこもって
しまう理由を探っていて、興味深いです。男性たちはかなり無理な生活を強いられているのに、それを当然と受け止めてしまっていて、そのために大切なものを逃がしていることに気づいていないみたい。

本書は二百人以上の離婚体験者との面接と著者自身の体験を元にして書かれています。著者は面接を通して、自分自身の離婚後の行動が全く平均的だと感じた、と言っていますが、私自身も、行動も心理的変化も
余りにも書いてある通りなので、「私って、なんて平均的なの!」と自分でもおかしくなるほどでした。
 でも思いなおしてみれば、みなが本質的に同じ行動を取り、同じ精神的境地に辿りつくということは、とりもなおさず、この本が結果として、離婚に限らず、人生の大事件に真剣に取り組んだ人間の本来的な成長過程を描いているからではないでしょうか。

                
 

この本に出会った時、離婚して5年が経っていました。ああ、もっと早く出会っていたら、今までの道、どんなに心強かったことだろう、と思いました。初めて自分の思いと行動がしっかり支えられている、これでいいんだ、自分を信じて進めばいいんだ、という気持ちに包まれました。暗闇の中に突然心強い友人が現れたようでした。
 日本の書店を探して見ると、離婚に関する本はたくさんありました。具体的な法的手続きのアドバイス、離婚と再婚の体験談、どうすれば素晴らしいパートナーに出会えるか・・・。
 
 でも、人生のこの大事件を、成長のチャンスにして、自分を徹底的に振り返り、自分の心底にある願望に従って生きられる自分に育てていく、というコンセプトで書かれた本はありませんでした。離婚て、結局は長い年月のうちに生まれてきた二人の内面の願望のずれが、極限に達してしまったから、そしてもう修正の可能性が絶たれてしまったから取る最後の手段なのに?
 この本を待っている人がたくさんいる!と思いました。私がこんなに励まされ、勇気づけられた本を、同じ様な状況で一人だと感じている人たちにどうしても手渡したい、と思いました。

まずは訳すことだ!二ヶ月間、朝から晩まで訳しました。そして訳しながら、再び励まされました。それから出版社探しが始まりました。そうして幾つもの幸運な出会いを通して、この本を出しましょう!と言ってくれた編集者に巡り合えたのです。
 この本と出会えたこと、本を出そうと言ってくれた編集者との巡り合い、どちらを取っても、私には見えない力が応援してくれた、としか思えませんでした。

今、ついにこの本を読者のみなさんに手渡せる日が来ましたこと、心の底から嬉しく思います。そしてこの本に様々な形で関わって、一緒に出版を実現して下さったたくさんの方々に、心からの感謝を捧げたいと思います。

            


 本書ではページ数その他の諸事情ゆえに、訳者あとがきやお薦めブックガイドを載せることができませんでした。それで、本書を読んだ後、さらにそれぞれのテーマについてもっと読んでみたい、と思われる方のために、私なりのブックガイドを、このホームページにのせていきたいと思います。どうぞ参考にして下さいますようにお願い致します。                

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