4)パートナーシップを求めて

梶谷雄二・著
  「男と女―すれ違う幻想」
  
三元社、198頁、¥1,800、1994年7月、初版

  

 

「だいじょうぶ!ひとりでも生きられる」 本文中に紹介されているヴィルフリート・ヴィークの著書「男という病」 「男という病の治し方」 の訳者による、自身の男論・女論。成長の過程で身につけた「男」意識に引きずられながらも、「常識」を疑い、その背後にあるものを確認しながら、夫婦関係を「男」「女」関係から、二人の人間のパートナーシップへ変えていこうとしている、いわばもがきの告白書。正直さと誠実さに好感が持てます。毎日の生活シーンの中から問題を考えているので、読みやすい。現実生活を軽蔑し、生活から離れた場所で生きることこそ「高貴」で「男」らしいとされてきた論理のからくりを探りながら、現実生活のできる人間としての男を取り戻そう、そして女も現実生活だけに縛られる自分あるいは安住する自分から解放しよう、そうすることでずっと自分自身も二人の関係も面白くなる。でも一緒に現実に立ちはだかる問題(育児、食事の支度、仕事など)を一つ一つクリアしながら、ゆっくりとね、誰だって少しずつしかできないんだから、と呼びかけています。
 帯には 「やっと、二人で読める『男』の本が出た!」 とあります。二人で読んで、「ここはどう思う?」と聞いてみれば、話のきっかけにできるのでは?二章から五章までは、ヴィークの両著書の紹介として読むこともできます。

             ―*目次*―

第1章 私の主夫体験―はじめに      第11章 男社会の始まり、についての一説
第2章 男という病               第12章 明石屋さんまの離婚
第3章 男らしさの正体            第13章 人はなぜ離婚するのか
第4章 男と女、すれ違いの時代       第14章 それでも人は結婚する
第5章 男は死ななきゃ治らない、か?   第15章 主婦じゃいけないの?
第6章 女性的=人間の理想的な在り方?第16章 『部屋とYシャツと私』と男の絶叫
第7章 お喋りの効用             第17章 今時の女子高生
第8章 男のくせに、女のくせに       第18章 男は女に憧れている
第9章 男と女、どこか違う          第19章 フェミニズムの殻のことなど―あとがき
第10章 そもそも男は、そもそも女は

 

 

 

 

 

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