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 私が掲示板で尋ねた省エネ電球の性能についてを含め、各照明についての原理と現状と将来の展望を、リヒャルトさんが、詳しく、わかりやすく書いて、お送り下さいました。私たちのために時間と労力を割いて頂き、本当にありがとうございました。皆さんもご存知のように、掲示板への書き込みは時間が経つと消えてしまいますので、それでは余りにもったいないですから、掲示板用に書いて下さったのですが、ここに掲載させていただきたいと思います。どうぞ、読みたい時にゆっくりとご覧下さい。                   (2009.9.24)

 

リヒャルトさんの照明光源講座
             -
私たちの生活を支えている照明について

                          リヒャルト 

1.発光の原理
   
1.1 熱放射
   
1.2 ルミネッセンス
   
1.3 蛍光ランプ
   
1.4 白色LED

 光源を論じるためにはまず,発光の原理を知る必要があります。詳細を述べるにはかなりのスペースが必要になりますし,なかなかやっかいな説明もしなければなりませんので,皆さんに拒否反応を起こさせてしまいそうですので,ここではなぜ白熱電球の使用を止めようと言うことになるのかを理解していただくための概略を説明したいと思います。

 発光の原理は大きく2つに分けられます。一つは「熱放射」,もう一つは「ルミネッセンス」です。それぞれについて概略を説明します。

1.1 熱放射

 皆さん電気コンロをご存じのことと思います。今の若い人たちの間では,ご存じない方もおられるかもしれませんね。電気コンロのスイッチをオンにすると,ヒーターの色は最初は黒いまんまですが,時間が5秒,10秒と過ぎていくうちにだんだん暖かくなっていき,ヒーターは次第に赤くなっていきますよね。もしこのコンロに流れる電流を大きくしていったらどうなると思いますか?赤色がどす黒い赤から次第に鮮やかな赤になり,さらに電流を大きくしていくと,黄色みを帯びるようになり,さらに電流を大きくしていくと,白っぽくなっていくはずです。

 つまり,ヒーターに流れる電流を大きくしていくと言うことは,ヒーターの温度を上げていくことに対応しています。ヒーターの温度が上がれば,ヒーターから出る光も赤だけでなく,黄色やさらには緑,青などが混じった色,すなわち白色に近づいていくことになります。このようにヒーターの温度が高い状態にしてあるのが,白熱電球なんです。皆さん既にご承知の通り,熱は熱線すなわち赤外線によって発生されていますよね。従って,コンロの場合は光の色が白色になるまで電流を流さなくても済みますが,白熱電球は光源が目的ですから,ヒーター(しかし,電球ではフィラメントと言います)の温度をさらに上げる必要があるわけです。

 以上の説明でおわかりのように,白熱電球から光を得るためには,照明に必要のない赤外線も含まれていることになります。ということは,白熱電球を照明応用から見た効率はかなり低いことが予想されるのではないでしょうか。それでは電力効率としてはどのくらいでしょうか。

100W電球の場合,可視光に変換されるのは大体10W程度です。それに対して赤外線として消費されるのは約72W程度,そのほか器具としての熱損失が約18W程度,と言われています。ということは,白熱電球の照明光源としての電力効率は約10%程度,と言うことになります。それと今説明しましたように,白熱電球の可視光には赤色部分の割合が多い,と言うことに気がつかれたと思います。

つまり,白熱電球は暖色系の照明と言うことになるわけです。ワット数が大きくなるにつれて,白色に近づきます。太陽光も同じ原理ですが,ご存じのようにいわゆる白色光ですよね。違いは太陽光の表面の温度が6000°Cくらいなのに対して,白熱電球ではたかだか3000°C程度です。

                                        

1.2 ルミネッセンス

 白熱電球は,物質を高い温度に熱することによって光を発生させていましたね。これに対して,光を得る方法として,ルミネッセンスというのがあります。これは,熱を伴わないで光を発する現象と言うことが出来ます。つまり,可視光を得るのに赤外線は必要がないと言うことです。そうすると,このルミネッセンスという現象を照明に利用することが出来れば,電力効率が格段にアップするのではないかと,直感的に理解できますよね。

 ルミネッセンスという現象を端的に申しますと,物質になんらかのエネルギーを与えたときに,その物質が与えられたエネルギーを光のエネルギーに変換する現象と言うことが出来ます。但し,どんな物質でもエネルギーを与えれば光を出すか,すなわち発光するかと言うと,そうではありません。むしろほとんどの物質はそのままでは発光しないと言っていいでしょう。発光させるためには,物質にいろんな手を加える必要があります。手を加えることによって発光するようになった物質のことを,「蛍光体」と言います。しかし,蛍光体の発光に際しては,白熱電球の場合のような熱というものは一切関与しないことが,おわかりいただけると思います。

 ルミネッセンスという現象は,いろんなところで見ることが出来ます。最も代表的なのが,蛍光ランプです。これは本日のターゲットですので,後で詳細に説明します。そのほかに皆さんが毎日ご覧になっているブラウン管型のテレビがあります。既に薄型テレビに切り替えておられる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 ご覧になっているブラウン管の中は真空になっており,ご覧になっている面の裏側,つまり真空側の面に「蛍光体」が塗布されています。カラーブラウン管の場合には,赤,緑,青色に発光する蛍光体が規則正しく塗布されています。これらの蛍光体に高い電圧で加速された(つまり大きなエネルギーを持った)電子ビームを照射することによって発光させます。

 このようなルミネッセンスのことを「カソードルミネッセンス」と言います。「カソード」とは「陰極」すなわち「電子線」を意味します。この3色が光の三原色と言われるもので,これらの3色を混合することによっていろんな色を出すことが出来るわけです。光の3原色の混合を「加法混色」と言います。これらのことは皆さん中学の時に授業で教わったのではないでしょうか?3原色を同じ強度で混ぜると白色になりますね。これに対して絵の具の3原色は何色か分かりますか?そうですね,黄色,マゼンタ,シアンですね。これらを同じ割合で混ぜると「黒色」になりますね。なぜ黒くなるか分かりますか?これは宿題とします。この混色のことを「減法混色」と言います。

 話がわき道にそれましたが,そのほかには,「蛍の光」もありますね。これは「生命発光」,または「バイオルミネッセンス」と言います。また,健康診断で,レントゲンの直接撮影の時には,体の反対側にX線が当たると発光する蛍光体を塗布した薄い板状のものが設置されていて,体を透過してきたX線を蛍光板で発光させて,それを写真に撮ると,精密なレントゲン写真が出来るという仕組みです。

 また,薄型テレビのうち,プラズマテレビというのがありますが,これは小さな画素の中で発生した紫外線で蛍光体を発光させることによって,画像が形成されています。後で出てきますが,最近話題となりつつある「白色LED」も,青色ないし近紫外線で蛍光体を発光させることによって,白色を得ています。蛍光灯も,紫外線で蛍光体を発光させることによって,照明光を得ています。従いまして,これらは紫外線というエネルギーによる発光現象,すなわちルミネッセンスなんです。ちなみにこのルミネッセンスを「フォトルミネッセンス」と言っています。「フォト」すなわち光で励起するという意味です。

 さてその蛍光ランプですが,掲示板では図が使えないので言葉で説明しなければなりませんので,理解していただけるように説明できるかどうか自信がありませんが,我慢して読んでいただきますようお願いいたします。でも,ここまでお読みになってお疲れになったと思いますので,どうぞ一休みなさって下さい。蛍光ランプの説明は少し長くなりますので,項を変えてご説明します。

                                        

1.3 蛍光ランプ

 蛍光ランプですが,管内にはアルゴンガスと少量の液滴水銀が封入されています。アルゴンの圧力は,おおよそ100分の1気圧程度です。その中に液滴から蒸発した水銀の蒸気が,アルゴンのガスに対して10分の1から100分の1程度存在しています。以下は直管型の蛍光ランプの場合について説明します。しかし,円形状でも,今あけみさんが問題にしておられる省エネ型の蛍光ランプでも,原理は同じです。

 直管型の蛍光ランプの場合,管は今述べましたように,ガスが封入してありますので,両端は封じられています。しかし両側の封じられた部分には,それぞれ2本の金属の線が通っています。この2本の金属のピンの管内側の先端には,コイル状になった細い線(通常タングステン線,フィラメントと言い,白熱電球のフィラメントと同じです)がくっつけられています。管の外側には,そのピンを固定するような形の金属の枠のようなものがくっついているのがおわかりだと思います。この金属の枠のことを「口金」と言っています。

 もう一度管内のフィラメントに戻りましょう。このフィラメントに電流を流すことにおいては白熱電球の場合と同じですが,蛍光ランプの場合,フィラメントの光を照明に利用しようと言うことではありません。目的はこのフィラメントから「熱電子」を飛び出させることです。そこで,先人は賢いことを考えました。細い線には出来ないけれど,タングステンより低い温度で熱電子を飛び出させることが出来る材料があることを見出しました。それを「エミッタ」と言い,バリウム,ストロンチウム,カルシウムの酸化物がエミッタ材料になります。これらは粉末状になっていまして,これをコイル状になっているタングステンフィラメントに充填します。こうすることによって,少ない電流でも熱電子を飛び出させることが出来ますので,電力の節約になりますね。

 蛍光ランプを点灯する場合には,両方のフィラメントに電流を流すと同時に,両側の間に電圧を加えます。通常は交流電圧です。電圧を印加すると言うことは,どちらかが陽極で反対側は陰極と言うことになります。交流電圧を印加していますので,陽極と陰極が交互に入れ替わっていることになります(60ヘルツの場合,1秒間に60回入れ替わることになります)。

 今ある瞬間を考えましょう。例えば左側が陽極,右側が陰極の場合とします。右側の陰極から熱電子が出てきます。飛び出した熱電子は左側の陽極に印加されている電圧(瞬間的に大きな電圧が発生するように電子回路が工夫されています)によって左側に引っ張られる,つまり加速されます。左側に向かって走っている電子は,途中で水銀蒸気に衝突します。そうすると,衝突するときに電子が持っていたエネルギーにより,水銀原子の電子が外にはじき出されます。結果として水銀は1価の陽イオンになります。このイオン化が一斉に発生し,グロー放電状態になります。

 この放電により水銀から強い紫外線(253.7 nm)が発生します。グロー放電の状態になりますと,管内はマイナスの電気を持つ電子とプラスの電気を持つ水銀イオンとからなり,導通状態になりますので,もはや両端のフィラメントからの電子の放出は必要でなくなりますので,フィラメントへの電流の供給が止まります。フィラメントへの電流の供給をオン−オフしているのが一般的にはグローランプです。

                                      

 蛍光ランプの内壁には蛍光体が塗布してあります。先ほど発生しました紫外線が蛍光体を励起して光を発生し,これが照明光源になるわけです。蛍光灯のスイッチをオンにすると,少しの間グローランプが点滅しますが,蛍光ランプが点灯すると同時に,グローランプが消えますよね。従いまして,蛍光ランプの場合,白熱電球のような熱としての損失は点灯の最初の部分だけで,あとはグロー放電を維持する電流だけです。

 点灯のために最初にフィラメントには電流を流すわけですが,先ほど申し上げましたように,熱電子が出やすいような酸化物陰極材料が充填されていますので,あけみさんが心配しておられるような大きな電流が流れると言うことはありません。ただ,上記の点灯の原理からおわかりのように,あまり頻繁にスイッチのオン−オフを繰り返さない方が消費電力の上では望ましいと言うことが出来ます。

 もう一つ,酸化物陰極材料もオン−オフの際に消費され,蛍光ランプの寿命は酸化物陰極材料がなくなったときですので,その意味でも頻繁なオン−オフは避けた方がよいと言うことになります。でも普通はそのような使い方はあまりしないと思いますが。ただ,スイッチをオンにした直後に放出される電子の数はそのときの室温に依存しますので,寒いとき少しの間暗めになりますが,まあこれは我慢して下さい,というところです。尤も,ラピッドスタート型等,点灯時の電子回路もいろいろあります。コストも違ってきますが。

 それから,あけみさんが心配しておられます色合いのことですが,これは確かに重要な要素ですね。ただ,この色合いに関しましては,どのような色合いが一番いいかという客観的な基準というものはなく,かなり主観的です。だけど,ある程度は客観的な比較が出来るようにしておかないといけないので,一般的には昼間の太陽光のスペクトルを基準とし,それにどの程度近いかを「演色指数」という値で示しています。

 スペクトルというのは、可視光のいろんな色がどのような割合で含まれているかを横軸を波長(またはその波長に相当する光のエネルギー),縦軸を光の強度としたときのグラフのことです。今主観と言うことを申し上げましたが,人間の歴史の中で,おかれた自然環境などにも依存しているのではないかと思われます。 

 日本をはじめとしてアジアの多くの国々は農耕民族でありました。農耕と言うことは作物の生育には太陽光がものすごく重要な要素でした。太陽光は上から降り注ぐ光ですので,ライフスタイルは自ずから天井照明となり,太陽光に近い光源色を好むようになったと思われるわけです。

 これに対して,ヨーロッパ(だけではないと思いますが)はどちらかというと,狩猟民族ではなかったでしょうか?狩猟の場合には照明は逆にカンカラカンに明るくない方がよいと言うことにならないでしょうか?従って照明はどちらかというと暗め,ということは既に説明しましたように,熱放射による照明ですとどうしても暖色系になるわけです。しかもライフスタイルは「壁照明」になったと思われます。私も最初ヨーロッパに行ったとき,照明が弱めだなと言うのが印象的でした。尤も,日本の照明があまりにもカンカラカンにしすぎなのだとは思いますが。要するにエネルギーの間無駄遣いをしているわけです。

 それで,色合いですが,最近では蛍光体の種類も多く開発されていまして,電球型蛍光灯でも,暖色系から白色系まで多種取りそろえて市販されていますよ。ですので,暖色系のために白熱電球でなければならないと言うことでもないのではないかと思います。ただ,水銀の問題がありますね。私の考えはこの後の「白色LED」の説明後に述べたいと思います。

                                        

1.4 白色LED

 あけみさんも既に述べておられました「白色LED」が最近次世代の光源としてにわかに注目を集めるようになってきましたね。LEDすなわち発光ダイオードの原理についてはご存じでしょうか?

 まずダイオードですが,これはn型半導体とp型半導体とがくっついたものです(接合と言います)。このような状態の物質にp型の方にプラスの電圧,n型の方にマイナスの電圧を加えますと,プラスの電極からは正の電荷を持った「正孔」(ホールとも言います)というものが注入され,マイナス極からは負の電荷を持った電子が注入されます。これらはいずれも半導体の中を流れます。これを順方向の電流と言います。逆に,p型の方にマイナスの電圧,n型の方にプラスの電圧を加えても,電流はほとんど流れません。これを逆方向と言います。このように電圧の向きによって,電流が流れたり流れなかったりするものを,ダイオードと言います。順方向の電圧下で電流が流れているとき,正孔と電子が一緒になるとき(「再結合」といいます)に発光する場合があります。これが発光ダイオードです。

現在の世の中の電子機器,特にコンピュータを支えているものがシリコンです。具体的に申しますと,シリコンに形成させたダイオードやトランジスタの集まり(IC)なんです。但し,シリコンのダイオードは発光しません。つまり発光ダイオードにはなりません。

それでは発光ダイオードにはどのような材料があるのでしょうか?しかし,これを説明しだしたら,深みにはまってしまって大変なことになってしまいますので,省略します。興味のある方は易しく解説した参考書もありますので,ご覧下さい。

発光ダイオードは材料によって発光する波長すなわち発光の色が違いますので,色とりどり発光ダイオードがあります。それらの中でも画期的であったのが,青色発光ダイオードなんです。

赤色の発光ダイオード(以降LEDということにします)はありましたが,青色や緑色に強く発光するLEDはなかなか出来ませんでした。強く青色に発光するLEDを1993年に開発したのが皆さんもよくご存じの中村修二さんです。材料はGaN(窒化ガリウム)です。ノーベル賞の候補にもなったほどです(今でも候補かもしれませんが)。最近クリスマスの時期に,下町の大通りや大きなクリスマスツリーに飾られて,青色に怪しくひかり輝く発光ダイオードがそれです。

                                      

しかし,半導体としての発光ダイオード一つだけで白色という訳にはいきません。太陽光に近い白色または暖色系の白色を得るためには,工夫が必要です。いくつかの方法があります。一番手っ取り早いのが,青色の発光ダイオードと,青色の光で励起すると黄色にひかる蛍光体とを組み合わせることです。青色と黄色は補色の関係にありますので,この二つの色を上手に混ぜ合わせると白色になります。これも中学の時に習いましたね?

しかし,この白色には緑や赤があまり含まれていません。そこで,この白色のことを「擬似白色」と言います。擬似白色には赤色が含まれていませんので,この白色でマグロの刺身を照らしたとしたらどうなると思いますか?マグロの刺身は赤い色をしていますね。しかし,刺身は赤色に発光している訳ではありません。あくまでも赤色の照明があるから赤色に見えるのです。従って,赤色が含まれていない擬似白色で照らすと,マグロの刺身はどす黒い色に見えます。人間の味覚はただ味だけではなく,視覚や嗅覚等人間の五感に依存しますので,いくら味がよくてもどす黒く見えたのでは折角のマグロも台無しですよね。ですので,擬似白色を屋内照明に使うことは出来ません。

今では,蛍光ランプでは,あけみさんが言われるような色の心配はありません。ただ,この白色LEDの擬似白色は発光効率が非常に高く,街路灯などに既に多く使われています。そこで,白色LEDが一般家庭用の照明光源として使われるためには,赤から青までの色がまんべんなく含まれている白色発光ダイオードでなければなりません。そのような演色指数の大きな白色LEDが開発されたら,しかも高輝度で高効率のものが開発されたら,環境負荷の大きな水銀を使った蛍光ランプに取って代わることが出来ます。皆さんご期待下さい。

最近青色や青色より少し波長の短い近紫外線の励起で効率よく発光する緑や赤の蛍光体の開発がもの凄い勢いで行われており,急速に進展しております。これらの蛍光体の開発は日本で盛んに行われていますが,ヨーロッパでもフィリップスを中心として開発が進んでいます。ごく最近の新聞記事を添付しますのでご覧下さい(今のところ,技術的に記事をHPにアップすることができませんので,末尾に参考資料として,最も重要なコストについての部分だけを書き写しました)。

もしかすると,省エネ型蛍光ランプに取って代わるのも,近い将来かもしれませんよ。さらに,次世代照明光源の候補としてほかにもあるんですよ!「それは有機エレクトロルミネッセンス」と言うんですよ。聞いたことがおありになる方もおられるのではないでしょうか。但し,光源としてではなく「有機ELテレビ」として。サイズは11型ですが,超薄型(厚さ3mm)で,画質がものすごくすばらしいテレビです。これも高輝度で発光し,いろんな白色も可能です。従ってこちらも照明光源として現在精力的な開発が進められています。これも日本が一番進んでいるかもしれませんね。

                                          

2.私の考え

 今ご説明してきましたように,照明の世界はめまぐるしく進展しています。その背景は何かと言いますと,一つは省エネ,二つ目は環境負荷の低減,三つ目は演色性の向上。その他に産業界の戦略もあるでしょう。現在は省エネ型蛍光ランプが主流です。日本では,寿命がきた蛍光ランプの回収は100%完璧ではないかもしれませんが,かなり行き届いていると思います。しかし,これでいいというわけではありませんので,次世代照明光源の開発は不可欠です。これも今ご説明してきましたように,また,添付の新聞記事でも述べられておりますように,次世代照明光源の実用化は,すぐ目の前に来ていると言っていいのではないかと思います。しかも省エネ型蛍光ランプにしても,白色LEDにしてもいろんな色が出せるようになってきています。

炭素フィラメント電球がエジソンによって発明されたのが,1879年。今から丁度130年前ですね。余談ですが,このときの炭素フィラメントは,竹を細く切って焼いたものが使われました。世界のいろんな竹が試みられましたが,最も優れていたのが,京都・大原の竹だったそうです。タングステンフィラメントになったのが,1908年でした。101年前。世の中に果たした貢献度は計り知れないものがあります。しかし,今では,省エネにはほど遠いものとなってしまいました。ディスプレイの世界では,ブラウン管テレビが消え去ろうとしています。これも消費電力が大きいと言うのが,大きな問題の一つなんです。ということで,白熱電球もそろそろ新しい光源にバトンタッチしてもいいのではないかというのが,私の考えです。私の説明ではわかりにくかったと思いますが,皆さんのお考えをお聞かせいただけるとありがたいです。

参考資料●
 LEDでは,家庭用白熱電球の口金にそのまま付け替えられる電球型が登場している。真下の明るさが60ワットの明るさに相当する東芝ライテックの「E-CORE 一般電球形」の消費電力は6.9ワット,製品寿命は4万時間。一方,同等の明るさの白熱電球は54ワットで1000時間,電球形蛍光灯は10〜12ワットで6000〜12000時間とされる。 量販店では,1本でそれぞれ約4000円,約100円,約1000円で売られており,4万時間点灯した場合の購入費用はほぼ並ぶ。しかし,LED電球の消費電力はかなり小さく(6.9ワット対54ワット),ゴミが減ることも考えればエコ性能は高い
(日本経済新聞、2009年8月30日)。

拙文をお読みいただきありがとうございました。

                          2009919


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